FX取引通貨の売買サインと投資の心理
- 実効相場で見た大幅な円安
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に2005年までの10年間の為替介入額は、日本は5500億ドル程度にも上っていた。これに対して米国はたったの20億ドル弱。つまり10年間の介入額は、日本のそれが米国の350倍だった。そんな巨額介入、日本でも、とくに介入額が激増したのが小泉政権時代で、介入額は4000億ドル弱にも達し、2005年までの10年間の介入総額に対し何と7割以上にも達していた。 これだけの異常な規模の介入は、為替需給を大いにかく乱させた可能性があったのではないか。貿易黒字大国の日本で、円安、とくに実効相場先物取引で見た大幅な円安が広がった根本を辿っていくと、このような空前の円売り介入があったということだ。 輸出の再シフトが進む 日米貿易摩擦再燃警戒 日本の大手メーカーが輸出シフトを強めている。 たとえば、先日『日本自動車工業会』が発表した輸出台数によると、先物取引今年1月から10月までで国内生産に占める輸出比率は51.2%にも達していることが明らかになった。また、このままのペースが続けば06年の通年でも19年ぶりとなる「輸出比率50%超」を記録する見通しだという。 覚えている方が多いと思うが、90年代にはいわゆる日米自動車摩擦が一世を風靡。米国からの圧力を回避しようとした結果、自動車メーカーの多くは北米など現地生産に力を注いだわけだが、「世界的な需要増に現地だけでは生産が追い付かない」(大手メーカー)状況に陥りつつある。その結果、ここにきて国内からの輸出が再び増えつつあるというわけだ。 日経225一方で、先週15日発表された12月調査の日銀短観を見てみると、大企業・製造業の事業計画の前提となっている想定為替レートは年度通期が1ドル=114.04円、下期だけでは113.40円と発表された。 前回発表された9月調査の111.64円、111.31円から上方修正されたとはいえ、それでも現状の117〜118円水準からは大きく乖離しており余裕がある。 少なくとも焦ってドルを売り下がる必要性が薄れているだけではなく、このままの状況が続けば、再び業績を押し上げる大きな要因となることは確実だ。 11月の米中間選挙後に実施された米自動車大手ビッグスリーとFX 初心者ブッシュ大統領との会談において、メーカーサイドからは日本に対する強硬なスタンスが示されたものの、当の米大統領はそれほど強い不満を示さなかった。ホッと胸を撫で下ろした本邦メーカーも少なくなかったのではないか、と思われる。 しかし、日本からの輸出が再び増えつつあることに加え、円全面安で膨大な為替差益を享受出来る公算が大きいという現状からすれば、そのスタンスがいつ変化してもまったく不思議はないように思う。 実際、在米外交筋からは、「すでに日本メーカーの一人勝ちを苦々しく思っている要人も少なくない」とされるだけに、予断は許さずに今後の動向を注視してみたい。 このままの状況が続くようだと日米貿易摩擦の再燃も?(鹿の角) 円安の構造は頑強 ドル円相場は大きく戻したが、実は対ユーロ、アジア通貨、欧州通貨などに対して構造的円安が続いている。今回、こうした対外・対内投資の動向は13日に財務省が発表した10月の国際収支状況と11月の対内対外証券投資にも鮮明である。 財務省によると、対外証券投資は、10月に続き投資信託によるネット外債投資額が約3500億円と3月以来の高水準。株価低迷などで外債分配型の見直し買いなどが入っており、グローバルソブリンなども復調している。さらに生保の外債投資は8―9月からプラスに転じており、本邦投資家による外国株投資も売却超から取得超となっており、証券投資フロー合計は本年6月以来の流出超となった。一連の景気低迷→株安の連鎖への懸念が景気の踊り場→金融政策等で対応可能という安心感につながり、相場が戻したことが安心感につながったものと思われる。 それにつけても、本年7月から10月の証券投資フローが流入超(つまり円買いが発生しやすい)であったにも拘わらず円安が進行していた。理由は、外国人の日本株投資の多くが為替をヘッジしたものであると考えられることや、海外での円建てローンに伴う円売りなどもあるが、一番は為替証拠金取引の円売り。つまり統計以外に大量な円売りが発生していたのだ。こうした構造は、円の急騰を抑える働きをする一方、統計にでない要素で相場水準が乱高下する要素を与えることになる。実際、昨今の円急騰は主に為替証拠金での円売りの損切り、と考えることが出来る。 しかし、そうした短期的な投機が米経済失速→ドル急落という恐怖で大幅にポジションの整理が進む一方、統計上の直接投資のネット流出額は静かに円売りが進行。直接投資のネット流出額は、7月、8月と低水準に落ち込んだ後、純流出から流入に転ずると思いきや、一転、増加基調。ふと気がつけば、本年初から10月までの直接投資ネット流出額は5.3兆円に上り、既に160円をつけた1990年以来の高水準であった昨年(4.7兆円)を上回っている。もはや投資においても90年以降初めて常態に復帰した、といえるだろう。 景気回復による対外証券投資の進展と貯蓄から投資への浸透。円安の構造は頑強である。(石上) 止まらぬ円独歩安 金融マーケットは依然として日米を中心とした金利動向に対する関心が高い。 うち米国については、先週開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)で金利の据え置きとともに、来月以降の利下げについて若干肯定的なニュアンスを示した。 それを受けて、為替市場でドル売りが進行したことは記憶に新しい。 その一方、先々週までは「年内にも追加利上げに動く」---などと噂されていた日銀の金融政策については、利上げ先送り論が徐々に優勢となってきた。たとえば、先週木曜日には日経新聞が「日銀は年内利上げ見送りの見通し」と報じてもいる。 いずれにしても、日銀が今週の会合で如何なる決断を下すのか注視してみたい。 クロスを中心とした円安が止まらない。 実際、ユーロ/円は誕生以来のユーロ高値圏で推移しているほか、ポンド/円や豪ドル/円のように一0年ぶりの高値---といったレベルにある通貨ペアも少なくない。 そんなクロスで円安が進行している理由は幾つかある。 ひとつには、一時期まで五月蠅いほどの口先介入が観測されたユーロ/円などで、最近は欧州要人が逆に円安容認と捉えられそうな発言を繰り返していることもあるだろう。 また、もっと直截的には冬のボーナスシーズンと言うことで新発外債の払い込みなどを含めて本邦から大量の資金が流出していることだ。 チャートなどを見ると、明らかにヤリ過ぎ、行き過ぎなのだが、現在もっとも円売り安心感が高いものはクロス円。いましばらくのあいだは、円安が進行しても不思議はない。 ドルは実は底割れ寸前 ドルは、対円でこそ史上最安値(95年4月19日79.75円)はおろか、年初来安値(6月1日108.97円)に比べてもまだほど遠い水準にあるが、総合力を示す実効相場で見ると、じつは12月に入ってあらためて底割れ寸前の「崖っぷち」に追い込まれた。 FRB(米連邦準備制度理事会)が算出している主要通貨を対象としたドル実効相場(メジャーインデックス)は、12月に入り80.1まで下落した。これは、年初来最安値である、5月11日に記録した80.02が寸前まで近づいたといった意味になる。ところで、メジャーインデックスの史上最安値は、95年4月19日の79.21と、04年12月30日の79.27。前者は対円でドルが史上最安値を記録した日、そして後者は対ユーロでドルが史上最安値を記録した日である。 このように、メジャーインデックスが80割れ寸前まで下落してきたということは、総合力で見たドルが、年初来安値更新含みになっているとともに、一気に史上最安値更新含みにもなっていることを示す。極端な言い方をすると、ドルは底割れ寸前の状況までじつは追い込まれているということにもなるだろう。 ドル円が115円程度で推移している中で、ドル底割れ含みといった実感はまずないだろう。しかし12月に入って一時対ユーロで、ドルが史上最安値(04年12月30日1.3670ドル)に急接近したことからすると、総合力で見たドルが「崖っぷち」に立っているということもイメージしやすくなるだろう。 さて、今年5〜6月は、ドル実効相場の史上最安値更新がならず、ドルは底割れ回避で反発に転じた。今回もそうなるのか。それとも今回こそは、ついに史上最安値更新となるようなら、それはドル底割れが始まった可能性を警戒する必要があるだろう。 ところで、そういった中で、「米経済の守護神」、前FRB議長のグリーンスパンは11日、「米経常収支の赤字に変化のない限り、ドルじり安の流れが続くだろう」と語った。これまで見てきたようにじつはドル実効相場が史上最安値更新含みの状況にある中での発言といったことを考えると意味深長になるだろう。 =蒼い稲妻= 人民元動向を注目 週末に米中でバトル ここ最近、中国人民元が強含みに推移している。また、いささか旧聞だが、先週末の欧米タイム、ドル/円が115円を割り込む過程では一部で「人民元切り上げ」についてのウワサが聞かれたとの指摘もある。 そんな人民元高の背景となっているものは、まず先月28日に実施された米中の首脳電話会談だろう。 一部報道によると、電話会談で中国の胡錦涛国家主席はブッシュ米大統領に対し、「米国との貿易関係をより均衡の取れたものにするよう努める」と述べたと言われている。その報道が「中国は貿易黒字削減のため、人民元の一段の上昇を容認する」―などといった観測・思惑へと繋がり、現在に至る人民元高の主因を担っている感を否めない。 前記したものだけであれば、現在のような思惑が台頭することはなかったのかも知れない。しかし折りしも、今月中旬にポールソン米財務長官を始めとする米代表団が訪中する予定となっていた。それが人民元の切り上げ思惑を、ことさら増長させたようだ。 そうした状況下、正式決定された米代表団を見てみると、ポールソン氏のほかにシュワブ米USTR代表、グティエレス商務長官、ボドマン・エネルギー長官―など錚々たる顔ぶれを見ることが出来る。またバーナンキFRB議長も米代表団に加わる可能性があるという。 いずれにしても、米代表団のメンバーはそれぞれ中国高官などとの会談を断続的にこなしつつ、そのなかで中国政府に市場開放と為替改革の迅速化を求めることは確実な状況と言えそうだ。 周知のように、中国は外から強い圧利を加えられると、逆に意固地になるという特徴がある。実際、中国サイドからは「中国の目標は市場に人民元の価値決定させること」あるいは「外貨